北海道魚醤油生産組合

「おいしさあふれる北海道の魚醤油!」

北海道ならではの新鮮な原料を使用。味も香りもよいのが特徴です。

 北海道は水産資源が豊富で、その鮮度は目を見張るものがありますが、その一方で加工に伴う内臓や魚皮、カット残渣などの副産物の活用が課題となっています。21世紀はエコロジー(環境配慮)の世紀と言われ、しかも限りある資源を上手に使いながら持続可能な社会を作っていく「サステイナビリティー」が最重要課題とされています。そういった点で、北海道の魚醤油は地域の特色ある水産物や鮮度のよい副産物を利用し、発酵技術の粋を結集して作り上げたサステイナブルな次世代型調味料といえます。さらに、単にエコだけではなく、従来の魚醤に比べて北海道の魚醤油は魚臭さが少なくなるよう工夫が凝らされ、丹念に作られていることから、味も香りもよく、様々な用途にお使いいただけます。
 さて、味噌、醤油、日本酒、焼酎に代表されるように、発酵食品は同じ原料と配合で仕込んでも、作り手が発酵工程を加減することで多彩な味が生まれてきます。同じように北海道の魚醤油は様々な魚介類を原料に、発酵により素材の味を活かした様々な魚醤油が製造されており、種類の多さは他の地域に類を見ません。自分の好みにぴったりの、あるいは料理に合わせた魚醤油を探し出すのもまた醍醐味です。このホームページが、多くの方に北海道の魚醤油に興味を持つきっかけとなり、実際に味わっていただき、魚醤油の魅力を堪能していただくことにつながれば幸いです。

北海道魚醤油生産組合 組合長 三小田吉邦

地方独立行政法人
北海道立総合研究機構
食品加工研究センター
吉川 修司

魚醤油一口メモ

魚醤油一口メモ

魚醤油一口メモ

古代ローマ帝国時代に、「ガルム」「リクァメン」と呼ばれる魚醤が存在していて、世界最古の調味料として知られています。現在はイタリアのアマルフィ海岸にあるチェターラという町で、「コルトゥーラ」という魚醤が作られています。新鮮なカタクチイワシとシチリア島の塩が原料で、ことのほかサラリとしていて全く臭みがなく、現在使用されているアンチョビソースの原型といわれています。刺身やカルパッチョに最適。また、うどんや鍋物に入れることで、味が引き立ちます。

魚醤油一口メモ

魚醤油一口メモ

世界的に見ると、魚醤は主に東南アジアに広く分布しています。特にベトナムの「ニョクマム」は、最も普及率が高い調味料となっています。魚介類を原料に造った魚醤で、一種独特な魚特有の臭気をもちますが、多くのアミノ酸を含むので濃厚な旨味がありベトナム料理には欠かせません。ナンプラーはタイを代表する調味料で、小魚を発酵させたものの上澄みを熟成させて造る魚醤です。日本の「しょっつる」に近く、タイ料理では、炒め物、タイカレーの下味など、幅広く使われています。

魚醤油一口メモ

魚醤油一口メモ

日本の3大魚醤と呼ばれる有名な魚醤があります。秋田の「しょっつる」、石川県能登の「いしる」、香川の「イカナゴ醤油」がそれです。「しょっつる」はハタハタとイワシが原料で「塩汁」が訛ったもの。「いしる」はイカの内臓とイワシが原料で、「魚汁」が訛ったものです。「イカナゴ醤油」はイカナゴが原料になります。いずれも魚の種類や塩分量、漬け込む期間や作業工程の違いで、味や風味も変わってきます。また発酵させることで生まれる独特のコクとにおいや塩辛さが、料理の隠し味となります。